2005年6月8日(水)16:36

イギリス政府はEU財政問題で譲らず

ロンドン/ベルリン(AP)

EUの次期財政計画をめぐる論争で、イギリスは譲歩の構えを見せない。トニー・ブレア首相は水曜日ロンドンで、いわゆるイギリス割引についての交渉に応じる用意がないことを明らかにした。この割引は今までどおりであり、「これについて私たちは交渉しない。以上」と首相は下院で述べた。この問題を決定するEU首脳会議を3日後に控えた来週月曜日に、ブレア首相はベルリンでドイツのゲルハルト・シュレーダー首相と会談する予定である。

会談ではとりわけEUの財政計画が協議される、とドイツ政府のベーラ・アンダ広報官はベルリンで語った。アンダ広報官は、ブレア首相が木曜日と金曜日のブリュッセルEU首脳会議でイギリス割引の問題で譲歩を迫られるとの見込みをほのめかした。イギリスは1984年以来毎年、平均46億ユーロの拠出金割引を受けている。イギリスは他のEU加盟国より農家が少ないことが割引の理由とされている。

しかしこの間EUの農業部門の重要性が低下してきたこともあり、他の24ヶ国は割引金の撤廃を求めている。EU議長国ルクセンブルクは割引金を当面現状で固定し、段階的に廃止するという提案を行った。シュレーダー首相はすでに財政問題で譲歩する意思を表明しているが、アンダ広報官はイギリスを念頭に、「ドイツの譲歩の前提は他のすべての国も譲歩することである」と釘を刺した。

イギリス割引のほか将来のEUの支出額なども議論を呼んでいる。ドイツ、フランスをはじめとする大きな実質負担国は、2007年から2013年の支出をEU加盟国の総収入の1パーセントもしくは8150億ユーロ以内に制限したい意向である。一方欧州委員会は1.26パーセントもしくは1兆25億ユーロを要求している。議長国ルクセンブルクは1.06パーセントもしくは約8700億ユーロを提案している。とりわけEU憲法の危機的状況に鑑み、EU議長を務めるジャンクロード・ユンカー首相はあらためてEU会議での合意を勧告した。

アンダ広報官によれば、シュレーダー首相は金曜日にフランスのジャック・シラク大統領とパリで、続いてユンカー首相とルクセンブルクで協議を行う意向である。その翌週の月曜日にはブレア首相がベルリンを訪問する。ブレア首相は翌火曜日にルクセンブルクでユンカー首相と会談する。ユンカー首相は次の水曜日の夜に、翌木曜日の首脳会議に向けた最終提案を行う意向である。

原題:London in EU-Finanzstreit unnachgiebig




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